看護師の多くが悩む偏頭痛を軽減する看護師寮
▲獨協医科大学の新看護師寮
▲尾田恵氏(左)と辰元宗人氏(右)
その仕掛けとは、辰元宗人氏のこれまでの研究から「偏頭痛患者は視覚感受性が高く、色温度の高い白色LEDを不快に感じ、コントラストの強い模様も偏頭痛を誘発する要因になる」ということを確認しており、それらの知識をもとに、新築する看護師寮の半数の部屋にのみ、これまでの白色LEDから電球色のLEDを採用し空間全体の色温度を下げ、さらに壁面と床面のコントラストを低く抑えた。
▲これまでと同様、白色LEDを採用した新看護師寮の一室
▲電球色のLEDを採用し、床と壁のコントラストを抑えた新看護師寮の一室
実際に、白色LEDを採用のコレまでの寮から新築した寮に移った看護師の中村絵理さんは、「旧看護師寮に入居していた時は、偏頭痛に悩まされており、外出の際は薬が手放せなかったが、今は薬を飲む機会が減った」と語る。
▲新看護師寮に入居した中村絵理さん
看護師寮を新築する際には、辰元宗人氏の試みだけでなく、防音になった事や、今までは共同だった「風呂・トイレ」が別になったなど変化によるストレス軽減がとても大きいのだが、インテリアや調光に関してもじわじわと実感しているとのこと。
辰元宗人氏の試みが実施されていない友人看護師が、こちらの部屋に遊びに来た際には「こっちの部屋、落ち着いて、あったかい感じがしていいなあ。」とよく言われるそうだ。
現在、2棟目の看護師寮も新築予定で、そちらも今回と同様に、半数のみにそれらの試みが施されるそうだ。
この効果の具体的な結果に関して、辰元宗人氏は現在アンケートを元に解析中である。
●出典(「頭痛に効く」看護師寮をのぞいてみた:日本経済新聞)